デジタルカメラどころか、デジタル技術にも明るくない人がデジタルカメラのことを書くとどうなるか、ここに好例がある。 「便利なHDRがなぜ売り物にならないか?」というような記事なのだが(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20111027/1038456/)、思わず飲んでいた烏龍茶を吹いてしまいそうになった。古くからのカメラメーカーがHDRを採用しないのは「画像合成」だからであり、カシオやソニーという新興メーカーがHDRに熱心なのに、なぜ採用しないのか、という趣旨だ。まず、HDRが画像合成だから嫌われている、という前提そのものが間違っている。デジタルカメラではさまざまな画像合成技術が使われていて、「アートフィルター」と呼ばれるようなものも一種の画像合成だ。さらに、HDRはダイナミックレンジ拡大として、富士フイルムが画像合成(ソフトウエア)ではなく、ハードウエア処理で長年取り組んできていて、その成果は最新のEXRプロセッサーにも生かされている。そして、ソフトウエア処理、つまり画像処理でHDRを実現したのはほかならぬペンタックスであり、老舗カメラメーカーのひとつである。さらに、いまではほとんどのカメラメーカーがHDR機能搭載のデジタルカメラを出しているのは周知の通りだ。さらに、iPhone4でもHDR機能を搭載しているぐらいである。この記事の筆者は知識がないばかりでなく、原稿を書く前に下調べもしていないことが明白である。もって他山の石となしたい。
リニューアルしての最初から辛口になってしまったが、まあ甘辛、硬軟織り交ぜての、いつも通りのテクニカルエッセイを続けることにしたい。だいたい前日の夜に書いてしまうのだが、画期的な製品の発表があるときには当日書くこともあり得る。
井の頭自然文化園で。例によってリスちゃんなのだが、リスの目が「ロンパリ」(死語)であることを初めて気づいた。このカメラのAFはα55および65よりも進歩したもので、いままでずっと自動選択にまかせて撮影しているが、だいたい思った位置にピントが合ってくれる。ソニーα77、ミノルタAPOテレズーム100~400ミリF4.5~6.7、絞りF6.3、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISOオート。