ニコンが2010年に出願し、2011年9月に公開された18~300ミリF3.5~5.6に関する特許出願(特開2011-186159)が近く製品化されるという噂が出ている。もし製品化されれば、タムロン18~270ミリF3.5~6.3をしのぐ高倍率ズームということになる。ニコンDXフォーマット用のイメージサークルを持つから、35ミリ判換算では約27~450ミリ相当となる。とうぜん手ブレ補正はVRII(シャッター速度にして最大約4段ぶん)だろうし、EDガラスの使用はもちろんのこと、超音波モーター(SWM)、円形絞り、など近年のAF-Sニッコールレンズの技術が投入されるだろう。ただ、このクラスだとナノクリスタルコーティングは採用されないものと思われる。いずれにしても、最近のニコンはカメラもさることながら、レンズにも大きな力を注いでいるようだ。そして、ズームだけでなく単焦点レンズもつぎつぎと新製品を出していて、それもDXフォーマットとFXフォーマットの両タイプにわたる。レンズというのはデジタルカメラでも、いやデジタルカメラだからこそ新製品が必要であり、また重要な柱のひとつである。韓国、あるいは中国などに将来も競争で勝つためには、レンズという光学部品のクオリティーと特長をグレードアップしていくのはきわめて重要である。イメージセンサー技術も重要であるが、電子部品は各国のメーカーが力をつけてきていて、現在のように日本が大きく水を開けている状態がずっと続くとは思われない。また、「ミラーレスカメラ」も重要であるが、高い技術の文字通り結晶であるペンタプリズム一眼レフも作り続けるべきであると思う。ぜんぶが電子部品となると、レンズだけが光学部品となり、日本メーカーの優位性は万全でなくなる可能性があるからだ。
もうひとつニコンの話題だが、D800Eにニコンが推奨するレンズリストが発表された。合計16本で、とうぜんだが新しい設計のレンズがほとんどである。ただ、少し不思議に思ったのは、D800のキットレンズである28~300ミリF3.5~5.6がリストに入っておらず、24~120ミリF4がリストに入っている点だ。それなら、なぜ24~120ミリF4をキットレンズにしなかったのだろうか。
深大寺付近で。消防団の装備を格納している倉庫で、最近では珍しい。木の影がきれいだったので写してみた。このカメラユニットのシャープさはローパスレスだからだろうか。リコーGXR、A16 24~85ミリF3.5~5.5、プログラムAE、JPEGラージファイン、AWB、ISOオート。