ニコンがAPS-C(DXフォーマット)のCOOLPIX A発売を決めたことは、「高級コンパクト」デジタルカメラに大きな影響を与えそうな気がする。もともと、この分野はリコーGRデジタル(1/1.8~1/1.7型センサー)が切り開いたものだが、ライカX1がAPS-Cサイズで参入することで大きく変わったようだ。これに対抗するように富士フイルムがFinePix X100をやはりAPS-Cサイズで出して、このジャンルの方向性を決めた。もちろん、先行するシグマDP1やDP2もあったのだが、特殊なセンサーであり、一般向きとは言えなかった。そして、ソニーがCybershot DSC-RX100で1型センサー、キヤノンPowerShot G1 Xが1.5型センサーという流れを経て、ソニーがDSC-RX1で35ミリ判を採用し、高額にもかかわらず予想以上に売れた。これによって、高級コンパクトデジタルカメラはいちばん小さいセンサーでも1型、そして中核はAPS-C、さらにハイエンドとしての35ミリ判という方向性が決まった。これから高級コンパクトカメラに参入しようとしているメーカー、あるいはすでに高級コンパクトと呼ばれるタイプのカメラを出しているメーカーは、この流れを無視できなくなったのではないだろうか。もちろん、センサーサイズが小さくて、カメラの大きさ・重さも小さくて、写りがいいというコンパクトカメラはこれからも存在価値はある。しかし、高級コンパクトカメラの主流は1型以上のセンサーに移った、という認識も必要だと考える。
ニコンD7100が3月14日に発売されることになった。ボディーのみ14万円前後、18~105VRレンズキットが18万円前後、16~85VRレンズキットが21万円前後、18~200VRIIレンズキットが23万円前後だ。オールインワンですますなら、18~200ミリVRIIレンズキットか、あるいはボディー単体と18~300ミリVRを組み合わせるのもありだろう。いずれにしても、ローパスレスの描写力がどうなるか、注目されるところである。
高倍率ズームだが、広角端で撮影。高倍率ズームだと、どうしても望遠側ばかりを使いがちなので、広角側を積極的に使うようにしている。ソニーNEX-6、タムロン18~270ミリF3.5~6.3PZD、絞りF6.3、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISO100。