シグマのdp Quattroカメラはグッドデザイン金賞を受賞して話題になっている。ただ、Quattroセンサーの狙いがいまひとつ理解できないのである。いちばん上で解像度に直接影響があるブルー層の画素数は1960万画素、その下のグリーン層とレッド層はそれぞれ490万画素づつ、合計の画素数は2900万画素以上になる。最上層のブルー層では輝度情報(解像度)と色情報、中間のグリーン層と底部のレッド層は色情報のみを得られる。このため、RGBカラーフィルターによるロス、ローパスフィルターによるロスなどが防止されると同時に、最上層の画素数で決まるナイキスト周波数から、解像度はほぼ2000万画素相当になる。これは1550万画素を3層使ったMerrillセンサーに対して、理論的には解像度で優り、かつデータ量は少なくなり(Merrillは4600万画素のデータ量)、処理がたやすくなる。この新しいセンサーは処理がたやすくなったこともあり、処理が高速化されると同時にJPEGファイルも色を含めて、画質がアップした。しかし、シグマのFoveon X3の系列のセンサーはRAWで撮ってこそ実力を発揮するものであって、JPEG撮りはあくまでも補助的なものである。そういう観点からすると、Quattroセンサーの意図がいまひとつわからないのである。RAW現像ソフトのSPP(Sigma Photo Pro)がまだ完全にQuattroセンサーに最適化されていないような気がする。いや、シグマはJPEG画質をアップして、カメラの販売数量アップを狙っているのかも知れない。しかし、カメラ生成JPEGは、RAWデータから生成したJPEGには画質で及ばないのは常識である。そうなると、やはりRAWを重視すべきであって、それがシグマの特長だと言えるのではないだろうか。4:1:1という画素数比率は独創的で素晴らしいと思いつつ、このセンサーはやはりRAW中心にすべきではないか、と思うのである。
蝶々が誰にでも楽に撮れる多摩動物公園の昆虫館で。超望遠ズームで遠くの蝶々を狙ってみた。オリンパスOM-D E-M1、M75-300ミリF4.8-6.7II、絞りF7.1、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISO800。