有機薄膜CMOSセンサーはRGB垂直記録型となるだろう、というのが個人的な予想である。有機薄膜CMOSセンサーとは簡単に言えば、従来のシリコンなどの無機材料を使ったCMOSセンサーのかわりに、有機材料の薄膜を使ったCMOSセンサーであり、いろいろな利点を持つ。薄膜のために従来の「井戸の底」のようなシリコンフォトダイオード受光部と比べると、斜めからの入射光も効率的に受光できるため、レンズをより小型軽量に設計することができる。さらに、オンチップマイクロレンズが不要になるかも知れない。また、有機材料を使うために、現在のような赤外光まで受光するシリコンフォトダイオードとはちがい、フィルムに近い、言い換えれば人間の視感度に近い分光感度にすることができる。つまり、現在のIR(赤外カット)フィルターが不要になるわけだ。また、画素ピッチ(ひとつの画素の大きさ)を小さくしてもシリコンフォトダイオードよりも受光効率がいいため、画素数を多くしたり、あるいは撮像感度を高めることができる。しかも、有機薄膜はそれ自体に着色が可能なため、RGBカラーフィルター層が不要になる。また、薄膜のために、積層化することも容易であり、現在では唯一のRGB垂直記録方式であるシグマのFoveonX3と同じような方式の採用も可能だということだ。唯一の欠点と言えるのは、有機材料のために耐久性やバラツキが問題になるかも知れないことだが、これも技術的に解決できるものである。シグマのFoveonX3の特許は今年2017年に切れるので、来年から一気に有機薄膜CMOSセンサーの時代が来るかも知れない。
RAWで撮り、クリエイティブスタイルなどを調整した。ソニーα6300、E 16-50ミリF3.5-5.6PZ、絞りF8、絞り優先AE、RAW、ISOオート。