ニコンがレンズマウントに関する特許を出願し、それの登録請求をして特許として認められている。特許出願の多くは登録請求をしないで、公知の技術として開示するわけだが、登録にまで至るのは、そこになんらかの特定の目的があるからだと見られる。この特許出願(特開2012-078770)はバヨネットマウント下部に円弧状の12個の電気接点を持ち、それ以外の連動部分を持たない(図)。つまり、この電気接点によって、カメラボディーとレンズの間のクロック信号のやりとりで、AFやAE、あるいはほかの機能を働かせるようになっている。同じ日(2010年12月29日)に出願された関連特許(特開2012-078771)も審査請求をして、特許として登録されている。特開2012-078770および特開2012-078771は特許4924755として認められている。これはニコン1(2011年発売)に実際に適用され、ニコン1は12個の電気接点でカメラボディーとレンズの間の通信を行っている。ニコン1に採用されたのだから、この特許の役目は終わったように見えるが、そんなことはない。この特許はマウント径やフランジバックなどを規定しているわけではなく、電子制御マウントの基本特許であるからだ。だから、マウント径やフランジバックなどはほかの大きさにもすることができる。もちろん、ニコンが新しいレンズマウントを開発中だと断定しているわけではないが、新しいマウントへの道は拓かれているということである。ニコンFマウントを将来も続けるのか、あるいは新マウントに切り替えるのかは、経営判断で決まるものであり、部外者にはうかがい知れない。憶測しかないわけだが、ニコンFマウントは一眼レフ用として将来も続き、もし新マウントを採用するなら、一眼レフではないデジタルカメラになるのではないだろうか。
現在ではレンズのAF駆動やダストリダクションにごく当たり前に使われている超音波モーターだが、この発明は1982年に遡る。新生工業株式会社が出願し、翌年特開昭58-148982として公開された、いわゆる「指田特許」である。そして、実用化されたのは1987年のキヤノンEOS650の交換レンズにUSMとして組み込まれたのが最初である。
吉祥寺で。店のディスプレイであるが、椅子は本物。このカメラはじつに独創的で、私の好みなのだが、今後のシステム展開はどうなるのだろうか。リコーGXR、A16 15.7~55.5ミリF3.5~5.5(24~85ミリに相当)、プログラムAE、JPEGラージファイン、AWB、ISOオート。