キヤノンが「ミラーレス」カメラに対する本気度を見せ始めた。まず、7月下旬にはEOS M専用交換レンズのEF-M 11~22ミリF4~5.6 IS STMを52,500円で発売する。35ミリ判換算で17.6~35.2ミリレンズに相当する超広角ズームで、手ぶれ補正機構ISを搭載し(約3段ぶんの補正効果)、動画ではダイナミックISが働く。また、ステッピングモーターとリードスクリュー機構により、静かな動画サーボAFを可能にした。レンズ構成はUDレンズ1枚、非球面レンズ2枚を含む9群12枚構成、最短撮影距離15センチ、絞り羽根は7枚の円形絞り、フィルター径は55ミリ。沈胴機構を採用していて(ロック可能)、収納時には60.9×58.2ミリ、重さは約220グラム。開放F値をF4~5.6と抑えたことで小型軽量化を図り、バックフォーカスの短さを生かして高い描写性を持つという。これで、EOS M専用のEF-Mレンズは18~55ミリF3.5~5.6 IS STM、22ミリF2.0 STMに続いて3本目となった。キヤノンEOS Kiss X7の登場で、キヤノンはEOS Mを重視していない、という見方があったが、このレンズの登場でキヤノンは将来性を持った「ミラーレス」にも力を入れて行くことを宣言したのと同じである。さらに、6月下旬にはこの11~22ミリに対応するとともに、EOS MのワンショットAF高速化(18~55ミリの多点測距で約2.3倍、1点測距でも約1.3倍、マウントアダプター使用時のAFもスピードアップ)を図ったファームウエアを公開する。EOS Mの唯一の欠点と言えるAFの遅さがかなり改善されそうで、キヤノンのやる気が垣間見える。
また、キヤノンEOS5D MarkIIIにEF24~70ミリF4 L IS USMを組み合わせたキットを488,000円で6月13日に発売する。従来はEF24~105ミリF4 L IS USMとのキットだけがあった。現在の同社の一眼レフの主力商品に新しいキットが加わったことで、一眼レフの分野でも相変わらず全力投球のキヤノンである。
この「ミラーレス」カメラはほとんど高倍率ズームばかり使っている。じつは、ほかの「ミラーレス」カメラもそうなので、つまりはさぼっているのであるが、写真は結果オーライ。オリンパスOM-D E-M5、M14~150ミリF4~5.6、プログラムAE、JPEGラージファイン、AWB、ISOオート。