ソニーのαふた桁シリーズのトランスルーセントミラー(透過ミラー)に反対する人たちはなにが気に入らないのだろう?透過光が全体の光の約70%で、実効感度が1/3落ちるからイヤなのか。透過ミラーを通過しているから、画質が低下しているに違いない、と思いこんでいるのか。あるいはファインダーが一眼レフではなく、EVFであるのが気に入らないのだろうか。しかし、トランスルーセントミラーあるいはペリクルミラーに関しては、元々のパイオニアであるキヤノンだけでなく、ニコンも興味を持っていて、ペリクルミラーに関する特許をいくつか出願している。それは、ミラー固定でも撮像ができるからであり、また像面位相差AFを同居させることも可能だからだ。実際に、ソニーα99では専用光学系による位相差AFのほかに、像面位相差AFによるアシストをしていて、このため動体にきわめて強いAFとなっている。また、ミラー連動をしなけば、現状のフル画素毎秒12コマを超える高速連写が簡単にできるようになる(もちろん、イメージセンサーの読み出し速度を考慮しなければならないが)。だから、キヤノンもニコンもペリクルミラーを使った一眼レフに興味を持っているのである。最近公開された特許出願としては、ニコンのペリクルミラーをアップした状態とミラーダウンした状態での、画素ズレを補正する特許がある(2012年1月14日出願、2013年7月25日公開、特開2013-145987)。ペリクルミラーで一眼レフにすると、どうしてもファインダー光学系への光が少なくなってしまう(だからソニーはEVFにした)。それでもなお、ペリクルミラーにメリットがあると考えているから、このような特許出願が出されるのだろう。このニコンの特許出願に興味のある方は
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いま「レンズが重要だ」と言われるが、それはイメージセンサーの有効画素数がどんどん増えていて、それに追いつく解像力を持つレンズが必要だ、という意味なのだろう。しかし、いっぽうでローパスレスが増えているが、レンズの解像力がイメージセンサーのナイキスト周波数に近づくほど、ローパスレスのデメリット、つまりモアレが出やすくなる。痛し痒し、というところだろうか。
いつもこの鐘を突くところを動画のテスト撮影に使っている。しかし、たまにはスチルで撮ってみようと思ったら、こんなフレーミングになってしまった。こういう被写体を写すのはやはり歳なのだろう(笑い)。フジフイルムX100S、絞りF5.6、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISO200。