ミラーレンズ、あるいはレフレックスレンズ(反射望遠レンズ)というのはAFができない、とか絞りがない、というのが現在のネットの「常識」になっている。しかし、カメラの歴史をひもといてみると、AFレフレックスレンズはミノルタがα用AFマウントに500ミリF8を開発し、ソニーにもそれは受け継がれた(現在では製造中止)。ミラーレンズに絞りがない、というのも間違いであって、1968年にドイツのヘルムート・マコウスキーが「光軸を外した」2枚のミラーでできたミラーレンズの後部に絞りを内蔵する特許を出願し、ドイツ特許1997499号として認められている(図)。そして、この特許を商品化したのがメタ・ゲレーテテクニック社で、マコウスキー・カトプタロンTS500Eとして商品化している。焦点距離500ミリで絞りはF8~32、ミラーはカール・ツアイス製のものを使用している。最短撮影距離は4.9メートルだが、マクロモードで1.9メートルが可能だった。フィルターサイズは67ミリで、フードは内蔵。とてもレンズとは思えない四角い形状をしていて、全長210ミリ、重さ991グラム。マウントはTマウントだった。そして、これを受け継いだのがゲーマ・カトプターTS500ミリF8Eで、構造としてはよく似ていた。マウントはやはりTマウントだったようだが、後にペンタックスKマウントに改造されたものが、eBayのオークションに出品された。さらに、後年になるとテレスペクト500ミリF11という同じ原理だが、形状がかなり違い、またピント合わせをモーター駆動で行うレンズが現れた。絞りはF11~45と可変で、電池はマロリーPX28を使用した。形状は2本のレンズのいっぽうを斜めに取り付けたようなものである。マウントはT2であり、各種マウントアダプターにより、いろいろな一眼レフに装着できる。しかし、このレンズもいまでは幻のレンズであり、現在のところではたしかに絞り内蔵のミラーレンズは存在しない。
デジタルカメラの本格的なスタートを1995年のカシオQV-10とすると(その前に1988年の富士フイルムDS-1Pがあるのだが)、2015年で20年目という節目を迎える。そのとき、デジタルカメラはどのようなものになっているのだろうか。
真夏である。最近の日傘は黒が多いのに、白が珍しかった。白い日傘のほうが、夏という感じはする。フジフイルムX100S、絞りF5.6、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISO200。