ニコンDfは「プロ用一眼レフ」ではない。なぜ当たり前のことをいまさら書くのかというと、「プロは使わないカメラ」という的外れのことを言う人たちがいるからだ。このカメラはニコン自身が言っているように、「写真趣味層」をターゲットにしたものであり、中高年のアマチュアを想定している。とくに、フィルム一眼レフで育ってきた世代にアッピールしようと企画されたカメラであり、第一線のプロはまったく想定外である。それは例のティーザー広告を見ていれば自明のことではないか。「この感触だ」というダイアル操作、ゆっくり1枚1枚を撮っていく撮影スタイル、まさにフィルム一眼レフ時代の写真愛好家のためのデジタルカメラなのである。そして、Ai連動レバーを跳ね上げることで、非Aiレンズの装着も可能にして、メニューで焦点距離と開放F値を設定する。あとは非Aiレンズなら前面のサブコマンドダイアルで、Aiレンズ、そして現代のレンズであれば絞りリングなり、メインコマンドダイアルで絞りを設定して行く。つまり、1959年のニコンF登場以来の膨大なニッコールレンズを装着して(一部に制限はあるが)、その描写を楽しむためのカメラでもある。最新のAF-S Gニッコールレンズを使えばきわめてシャープで、逆光にも強い描写ができ、オールドニッコールレンズなら、収差が残っているぶん「味のある」描写を楽しめる。たしかにスタイルとしてはもう少しスリムなほうがよりフィルム一眼レフらしい雰囲気だったのだが、言われるほど不格好なカメラではない。このDfにAiニッコールを付けてMFで撮っていると、自分の腕が確実に落ちているのを知る。自動化によって、スキルが低下してしまったのだ。そういう腕を取り戻すためのトレーニングマシンとしても、このDfの存在価値があると思う。もちろん、フィルムカメラライクな外観に反発を覚える人びとはいるだろうから、そういう人はふつうの顔をしたデジタル一眼レフを買えばいいのである。
デジタルホビーから、ソニーα7シリーズ用の補助ヘリコイド付きMマウントアダプターが発売された。価格は28,900円。Mマウントのレンズで接写で使うため、最大5ミリの繰り出し量を持つヘリコイドを内蔵している。ソニーα7/α7Rは専用交換レンズが揃うまでは、「レンズマウント遊び」のプラットフォームになりそうだ。
もう季節は冬なのだが、晩秋とも言える。足元を見ると、ドングリの実がたくさん落ちている。ニコンD7100、DX VR 18~300ミリF3.5~5.6G、絞りF5.6、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISO400。