ライカM(Typ 240)はよくできたカメラであるが、オールドタイマーにとっては気に入らない点がふたつばかりある。ひとつはブライトフレームの採光窓がなくなり、LEDの反射照明によるブライトフレームになった点だ。たしかにフレームは見やすくなり、暗いところでも視認性が良くなった。しかし、M型ライカ独特の採光式ブライトフレームがちょうど邪魔にならずに良かったので、ややブライトフレームが自己主張をし過ぎだと思う。また、電気的な照明方法なので、スイッチオンにしないとブライトフレームは現れない。もうひとつはM9にあったブライトフレームセレクターがなくなったことだ。これは「裏技」的にボディーキャップの装着方法によって出すことができるが、そんなことをする写真家はまずいないだろう。ブライトフレームのプレビューができるというのがライカの大きな特長であり、ライカM-Eでも省略されている。M-Eは「廉価版」(ずいぶん高いが)なので、フレームセレクターが省略された、というのはいちおう納得できる。しかし、現在のM型ライカの最高峰であるライカMがフレームセレクターをなくしてしまったのは残念である。やはり、M9はラインアップに残すべきカメラではなかったのか。ライカM9のイメージセンサーがCCDであったため、ライブビューおよび動画機能という現代的なフィーチャーを搭載したかったため、CMOSイメージセンサーのライカMにしたのはわかる。しかし、レンジビューファインダーに対して、ライカはだんだん愛着がなくなってきたのではないか、という疑念(笑い)さえ覚えるのだ。ブライトフレームセレクターをM-Eに追加して、M9に近いM型ライカを是非ともリバイバルさせて欲しいものである。「ミラーレス」カメラのライカT(Typ 701)を出して、ますますライブビューに傾斜を強めているライカだが、M型は伝統的なライカのMesssucher(レンジファインダー)を継承して欲しいのである。
望遠独特の大きなボケを生かして撮影してみた。大口径中望遠レンズを使用した。ニコンD7100、AF-S 85ミリF1.8G、絞りF1.8、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISO400。