キヤノンやニコンが中判デジタルカメラの商品化に取り組むかどうかは別として、現行のレンズのままで、中判のイメージセンサーに対応することはできない相談ではない。それは両社が出しているティルト・シフト可能なアオリ機構付きレンズを使えば、という前提である。キヤノンのTS 17ミリ、24ミリ、50ミリ、90ミリはイメージサークルが58.6ミリと言われている。ニコンのTS-Eレンズがどのぐらいのイメージサークルを持つか不明であるが、キヤノンに近いイメージサークルを持っているものと思われる。ところで、ソニー製の中判CMOSイメージセンサーは約44x33ミリの大きさであるから、対角線長は55ミリである。イメージサークルとしてはもう少し大きいのだろうが、キヤノンもソニーと同じぐらいの大きさのCMOSイメージセンサーを作れば、TSレンズを使うかぎり、イメージサークル上はカバーできると言えるのだ。当初はこのTSレンズだけを使う前提なら、中判デジタルカメラは新規にレンズを開発しなくても可能ということになる。ただし、キヤノンのEFマウントなり、ニコンのFマウントをそのまま使って不具合はないのか、ということになると、仮定のさらに仮定だから、なんとも言えない。ただ、ひとつの可能性として、当初はTSないしTS-Eレンズ専用として、徐々に交換レンズ(とくに望遠系)を揃えていけばいい、という方針もあり得るということだ。個人的には、この2社よりも中判デジタルカメラを作って欲しいのは富士フイルムであって、ハッセルブラッドH3D、H4Dなどのベースになっているのは周知の通りに、富士フイルムのGX645である。中判用交換レンズも揃っているし、イメージセンサーさえソニーなどから調達すれば、いちばん中判デジタルカメラへの参入が簡単なメーカーである。ただ、中判デジタルカメラはそれほど市場規模は大きくなく、その割に競争が激しいので、はたしてビジネスとして成功するかどうかの判断はむずかしい。だからこそ、キヤノンもニコンもおそらく研究はしているのだろうが、商品化に踏み出さないのはそのあたりの理由と思える。はたして、ペンタックス645Z、ハッセルブラッドH5D-50c、フェーズワン645DF、ライカS、ローライフレックスHy6 Mod2に続く中判デジタルカメラは出てくるのだろうか?
お寺の仏具が外に並べてあった。パターンとして面白いので撮ってみた。オリンパスOM-D E-M5、M12~40ミリF2.8PRO、絞りF5.6、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISO200。