EVFのいちばんの弱点は蛍光灯下でのちらつき(フリッカー)、高速表示や低照度のシーンでのノイズ、高速動体への追従性などだろう。この点で、光学ファインダーは優れているわけだが、光学ファインダーもタイプによっては問題が出てくる。一眼レフはレンズ交換に連動して画角が変わり、ピントの山もよく見える(エントリー機ではスクリーンの拡散率の関係でピントの山が見づらいが)。しかし、ミラーを跳ね上げて撮影するという方式だから、瞬間的なブラックアウトから逃れることはできない。これを解消しようとしたのが、ペリクルミラーだが、ファインダーが暗くなってしまう、実効感度が落ちてしまうなどの問題がある。それでは、窓方式の光学ファインダーはどうかというと、ミラーの作動などはないから、そういうブラックアウトはない。しかし、ライカのような連動距離計(レンジファインダー)を入れなければ、ピントはまったく確認できない。また、レンズ交換に連動して画角を変えようとすれば、ズームファインダーにせざるを得ず、画角に制限が出てしまうのと、大型化してしまう欠点がある。こういうことから、富士フイルムでは光学ビューファインダーとEVFを同居させた「ハイブリッドファインダー」をX100に搭載したわけだが、これをレンズ交換式のX-Pro 1に発展させたとたんに、画角の制限、大型化などの問題に突き当たってしまった。だから、このカメラの後継機は開発が難航していると思われるのだが、パナソニックでは外付けの「ハイブリッドファインダー」の特許を出願している(特開2014-191110)。これでも画角の制限はあるのだが、X-Pro 1のように内蔵するよりはカメラを小型化できる。ただ、このようなハイブリッドファインダーに果たして需要がどれぐらいあるかわからない。個人的には、ハイブリッドファインダーはX100、X100S、X100Tのような単焦点レンズ一体型カメラにいちばん向いていると考えている。
「ミラーレス」カメラに標準ズームという装備だと、軽装でスケッチできる良さがある。反面、交換レンズが欲しくなったときに困るので、超望遠ズームを付けた別の「ミラーレス」カメラを同時に携行している。ソニーα6000、E 16-50ミリF3.5-5.6PZ、絞りF5.6、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISO400。