ダストリダクションと手ブレ補正機構のいままでの流れはなかなか興味深い。オリンパスはレンズ交換式デジタルカメラ(デジタル一眼レフ)に参入するにあたって、ダストリダクションに力を入れた。その結果、イメージセンサーを超音波振動させることで、ダストリダクションに先鞭を付けたのだ。いっぽう、コニカミノルタは同社初めてのデジタル一眼レフにイメージセンサーシフトを搭載したが、これはダストリダクションではなく、手ブレ補正だった。というのは、ミノルタの時代からセンサーシフトの手ブレ補正付きデジタルカメラを手がけてきたからである。いっぽう、デジタル一眼レフの2強であるキヤノンとニコンは、フィルム一眼レフ時代からレンズ光学系シフト方式の手ブレ補正機構を搭載していた。したがって、デジタル一眼レフになってからもこれを踏襲したが、ダストリダクションにはなかなか手を付けなかった。いろいろな理由が考えられるが、ダストリダクションを行うにはイメージセンサーを超音波振動させる必要があり、それだけコストアップや、カメラの大きさに影響したからだろう。もうひとつのデジタル一眼レフメーカーであるペンタックスはイメージセンサーを振動させることで、ダストリダクションと手ブレ補正を両立させた。この思想はミノルタの流れを汲むソニーのαシリーズでも採用されることになる。パナソニックはミラーレスカメラに参入に際して、最初はレンズ光学系シフトの手ブレ補正を採用し、ダストリダクションはイメージセンサーシフト方式に採用した。しかし、のちにセンサーシフト方式の手ブレ補正を採用し、さらに両方を併用できるという方向に進んだ。オリンパスは手ブレ補正をイメージセンサーシフト方式にして、現在に至っている。センサーシフトでダストリダクションと手ブレ補正の両方を行うのがいいのか、ダストリダクションはセンサーシフト、手ブレ補正はレンズ光学系シフトと分けるのがいいのか、結論は出ていない。
いよいよ紅葉のシーズンである。近くの公園は11月終わりにならないと紅葉しないだろう。オリンパスPEN E-P2、M14-42ミリF3.5-5.6、絞りF6.3、絞り優先AE、JPEGラージファイン、AWB、ISO200。