今年は私がデジタルカメラを手にしてから20年目である。1996年の3月に発売されたカシオQV-10Aが最初のデジタルカメラだった。前年に発売されたQV-10の改良型で、撮影画像が緑色になる現象が解消され、画質も若干良くなっていた。それでも、画像サイズは320X240ドットと変わらず、液晶モニタは便利だったが、撮影してMacintoshで見たとき、がっかりしたものだった。最初の被写体が満開の桜というのも不適な被写体だったかも知れない。同じ1996年の7月に発売されたのが富士フイルムのClipIt DS-7で、画素数は640X480ドット、つまりPCの画面でいうVGAに相当した。シャープネスはやや劣るものの、発色は良く、海外撮影(シンガポール)へも、富士フイルムのGA645のサブカメラとして持って行った。そして、翌年の1997年7月にはオリンパスCAMEDIA C-820Lを3台目のデジタルカメラとして購入した。記録媒体にスマートメディアを使用し、さらに解像度を1024X768ドット(約81万画素)にした。このカメラでようやく画質もまずまずのものになったため、フィルムカメラのサブにかならず持ち歩くようになった。しかし、撮影会で取り出して見せると、アマチュア写真家たちからは、「なんでそんなオモチャを使っているんですか?」とからかわれる始末だった。しかし、私はこの時点でかならずデジタルカメラの時代が来ると予想し、同じ年の10月に発売されたC-1400Lも購入し、一眼レフ(レンズ固定式)で約141万画素を味わうことができた。このカメラは2/3型CCDを採用し、かなり満足の行く画質が得られた。そして、これらの経験をもとに、1998年に毎日コミュニケーションズから「デジタルカメラ撮影テクニック」という私にとって最初のデジタルカメラ関係書籍を出すことになった。ただ、その時代はコンパクトデジタルカメラが主流で、レンズ交換式一眼レフはキヤノンEOS DCS 1c(約300万円)など、とても手が届く存在ではなく、撮影テクニックの解説には限界があった。本格的な撮影ができるようになったのは1999年のニコンD1(約65万円)で、個人的には2001年5月に発売されたニコンD1X(約61万円)が最初に購入したデジタル一眼レフとなった。
打ち上げ花火だが、撮影方法をちょっと工夫してみた。RAWで撮り、DPP4.0で現像している。キヤノンEOS 7D MarkII、タムロン16-300ミリF3.5-6.3、絞りF16、バルブ撮影、ISO800。