超大口径レンズが流行しているが、実際にはどれぐらいまで大口径化できるのだろうか。1970年代にカール・ツアイスが50ミリF0.7レンズを数本試作し、これはスタンリー・キューブリック監督によって、映画「バリー・リンドン」の撮影に使われた。F0.7というとF1.0レンズから1絞りぶん大口径である。そして、これが大口径化の限界とも言われている。実用的な超大口径レンズはライカがノクティルックス50ミリF0.95として商品化していて、ほかにもF0.95のレンズはいくつか存在する。たとえば、コシナのノクトン42.5ミリF0.95、Speedmaster50ミリF0.95などが代表的なところだ。そういう中で、HandeVision Ibelux 40ミリF0.85は出色の超大口径レンズである。F1.0レンズと比べると半絞りぶん、F0.95レンズよりも1/3絞りぶん大口径である。このレンズはドイツのIB/EOpticsとKiponが共同開発したもので、実際の製造は中国上海のTransvisionで行われている。HandeVisionのHandeはHan(漢)とDe(ドイツ)の両方を意味しているという。レンズ構成は8群10枚、最短撮影距離は0.75メートル、絞り羽根は10枚、フィルター径は67ミリである。マウントはマイクロフォーサーズ、ソニーE、富士X、そしてキヤノンEOS-Mマウント互換である。大きさ・重さは74X128ミリ・1150グラム。焦点工房扱いで、価格は215,000円(税込み)。35ミリ判をカバーしないのが残念だが、大きなボケを楽しめるレンズである。
RAWで撮影し、クリエイティブスタイルなどを調整した。ソニーα6300、E 16-50ミリF3.5-5.6PZ、絞りF8、絞り優先AE、RAW、ISOオート。