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2017年 06月 16日
今後のデジタルカメラ、とくにミラーレスカメラでは電子シャッター搭載が当たり前になり、メカシャッターはなくなって行くだろう。ただ、現在のCMOSイメージセンサーの電子シャッターはいわゆる「ローリングシャッター」であり、順次行読み出しを行って行くものだ。このため、高速動体を撮影すると、いわゆる「ローリングシャッター歪み」が生じてしまう。このため、全画素同時読み出しの「グローバルシャッター」が提案されてきた。イメージセンサーがCCDであった時代にはニコンD1H、キヤノンEOS-1Dなどがグローバルシャッターを搭載してきたが、消費電力が大きく、ライブビューや動画撮影には向かなかった。富士フイルムのデジタル一眼レフ、S3 ProではCCD電子シャッター搭載カメラとしては初めてライブビューを実現したが、発熱のため、1回のライブビューは30秒に制限されていた。CMOSイメージセンサーになってから電子シャッターはより少ない消費電力のローリングシャッターとなったが、前述のようにローリングシャッター歪みが難点となってきた。そこで提案されたのがソニーの積層型CMOSセンサーで、DRAMメモリーにより読み出し速度を従来の約5倍にアップしたため、ローリングシャッター歪みが目立たなくなった。これがα9にも使用されている「Exmor RS」であるが、どうやらソニーはグローバルシャッターよりもこの積層型CMOSセンサーを指向しているように見える。いっぽう、キヤノンは先日ここで書いたように、ローリングシャッターの画素のほかにグローバルシャッターの画素を設け、ローリングシャッターでありながら、グローバルシャッターの歪みのなさを実現する特許を出願している(特開2017-59998)。さらにキヤノンはグローバルシャッターで、性能を維持しつつ、画素ピッチを小さくする特許出願を2017年6月15日に出願している(特開2017-108275)。キヤノンはどうやらグローバルシャッターの実用化に向けて着々と歩んでいるようだ。実際に同社は2016年にグローバルシャッターの開発発表を行っている。ニコンも先日、グローバルシャッターを実現する固体撮像装置の特許出願が開示されたばかり(特開2017-103603)であり、今後はグローバルシャッターなのか、あるいは積層型CMOSセンサーによる歪みの少ないローリングシャッターなのか、競争が激化しそうである。 ニコンは海外先行発表したタフカメラ、COOLPIX W300を6月23日に発売する。価格は45,000円前後(税別)を想定。 RAWで撮って、ピクチャーコントロールなどを調整し、さらにトリミングしたもの。ニコンD7200、AF-S DX VR 18-300ミリF3.5-6.3G、1/500秒、シャッター優先AE、RAW、ISOオート。
by hinden563
| 2017-06-16 06:23
| デジタルカメラ
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