AFの測距点自動選択は現在のところはそれほど精密なものではない。しかし、像面AFを発展させ、AIと組み合わせると、文字通りインテリジェントなAF測距点自動選択ができそうな気がする。つまり、被写体をパターン認識して、被写体別に測距点を自動認識する方向だ。いまでも、瞳AFはこのような測距点自動認識のひとつであり、まず顔を認識して、瞳を選択して測距点をそこに自動的に合わせるようになっている。これを発展させて行くと、背景と被写体を自動的に識別して、被写体だけにピントを合わせるようにできるだろう。それを現在ある被写体に合わせて、AFモードやAEモードや露出補正、さらにはストロボ使用の有無などを自動的に切り替えるシステムに組み合わせると、まったくのカメラまかせで写真が撮れるようになるだろう。もちろん、これは人間の意志を反映していないから、ある意味では退歩なのだが、カメラの自動化という点からは進歩と言えるだろう。被写体は千差万別だから、どのような被写体も自動的に判別するというシステムの搭載はむずかしいだろうが、イメージセンサーによる被写体認識と、あらかじめ組み込まれたプログラム、さらにAI判別を使えば実現可能だろう。そういうカメラがデジタルカメラなのか、あるいはスマートフォンのカメラ機能であるのか、それは現時点では予想がつかない。
JPEG撮って出し。キヤノンEOS 5D、EF 24-105ミリF4L、絞りF4、絞り優先AE、AWB、ISO100。