35ミリ判ミラーレスカメラは2013年11月15日発売のソニーα7とα7R以来、ソニーの独壇場だったが(ライカSLもあったが)、今年に入って、ニコンがZ 7を9月に、キヤノンがEOS Rを10月に、ニコンがZ 6を11月に発売し、一気に3つ巴の競争となってきた。さらに、来年春にはパナソニックがS1/S1Rを発売すると言われている。なぜ、急激な35ミリ判ミラーレスカメラの戦国時代になったかというと、その背景には一眼レフの長期低落傾向がある。とくに35ミリ判一眼レフは毎年シェアを落としてきた。もちろん、その理由のひとつは35ミリ判一眼レフの新製品の登場が少なくなったことがあるが、もうひとつの理由は一眼レフが行き渡ってしまい、新しい技術革新がそれほど期待できなくなったことだ。いっぽう、ミラーレスカメラは一眼レフ以上の連写能力の向上、あるいはAF測距点の増加など、アッピールできるポイントが増えてきている。さらに、将来的にはグローバルシャッターや有機イメージセンサーなど、新しい技術をたやすく投入できる土壌がある。このため、ニコンもキヤノンも将来性のあるミラーレスカメラに舵を切ったと思われる。今後は一眼レフの開発はスローダウンし、ミラーレスカメラの開発に拍車がかかるだろう。来年2019年はその競争が激化するだろうし、その結果によっては、プロカメラマンのメイン機材が一眼レフからミラーレスカメラへと移行することも考えられる。
JPEG撮って出し。キヤノンEOS 40D、EF-S 17-85ミリF4-5.6、絞りF5.6、絞り優先AE、AWB、ISO100。