キヤノンが回折光学素子(DOE)を使った大口径超望遠レンズの特許を出願し、2018年11月29日に公開された(特開2018-189878)。出願日は2017年5月10日である(特願2017-93783)である。この発明によれば、色収差を含めた諸収差の補正が容易で、しかも全系が小型軽量で、とくにフォーカス系のレンズ群が小型軽量な撮影光学系を得ることが目的である。実施例1は400ミリF2.8で、DOEは2群目に配置されている(図)。この構成では絞りが2つあり、ひとつはフレアカッターの役目をする。実施例2は300ミリF2.8である。いずれも、像高から35ミリ判をカバーし、バックフォーカスから一眼レフ用であることがわかる。キヤノンは従来からDOEを使ったさまざまな大口径超望遠レンズを特許出願してきていて、将来的にはすべてをDOEレンズに置き換えるか、あるいは通常光学系レンズと併売するものと予想される。
キヤノンの特開2018-189878に係わるDOEを使った400ミリF2.8の実施例。フォーカシングレンズ群が小型であるのが特長だ。
JPEG撮って出し。ニコンD2X、AF-S DX 17-55ミリF2.8G、絞りF4、絞り優先AE、AWB、ISO400。