キヤノンが前群交換式のレンズの特許を出願し、2018年12月6日に公開された(特開2018-194765)。出願日は2017年5月22日である(特願2017-100470)。この発明の目的は全系が小型でありながら、レンズの一部を交換することで、広角画角を含む2種類のスペックを得ることである。実施例1の絞り(SP)より前のレンズ群(LF1)を交換することで、全系が35ミリF2.8または50ミリF2.8となるようなレンズである(上図)。キヤノンは前群交換式のカメラを1969年に発売している。それがキヤノンEX-EEで、前群を交換することにより、35ミリF3.5、50ミリF1.8、95ミリF3.5、125ミリF3.5と焦点距離を変えることができた。今回の発明もそのような前群交換式レンズのひとつである(下図)。しかし、像高(イメージサークルの半径)が33ミリもあり、通常の35ミリ判カメラ用のレンズとは異なる(通常は像高が21.6ミリ)。考えられるのはこの前群交換式レンズがティルト・シフトを行えるTS-Eレンズのひとつであるということだ。それならイメージサークルを大きくとらないとケラレてしまう。もうひとつの可能性は中判カメラ用レンズということだが、バックフォーカスを見ると一眼レフ用のようなので、その可能性は少ないだろう。
キヤノンの特開2018-194765に係わる前群交換式の交換レンズの実施例。LF1を交換するようになっている。
キヤノンの特開2018-194765に係わる前群交換式レンズの実施例で、LF1とLF2を交換する。
JPEG撮って出し。ニコンD2X、AF-S DX 17-55ミリF2.8G、絞りF5.6、絞り優先AE、AWB、ISO100。