ソニーの積層型CMOSイメージセンサーであるExmor RSは受光部のフォトダイオードと回路部の間にDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリー)を挟んでいるのが大きな特長だ。このDRAMで一時的にフォトダイオードで受光したデータを貯めておき、一挙に処理するために読み出しの高速化が可能だ。このために、ローリングシャッターでありながら、固有のローリングシャッター歪みを軽減した「アンチディストーションシャッター」が可能となっている。また、読み出しの高速化により、ストロボのシンクロ速度を実用的なレベル(α9では1/50秒前後)まで引き上げている。ただし、ストロボ使用時はこれでもシンクロ速度が遅いため、メカシャッターを使ってストロボ撮影をするようになっている。このExmorRSは次世代ではDRAMによる読み出しの高速化をさらに進めて、ローリングシャッター歪みをほとんどなくし、またストロボ同調を電子シャッターで行えるようになるだろう。そうなると、メカシャッターはもう必要ないことになり、真の電子シャッターが誕生することになる。
JPEG撮って出し。キヤノンEOS 5D MarkII、EF 24-105ミリF4L、絞りF5.6、絞り優先AE、AWB、ISO100。